読書会連絡協議会

能登演劇堂見学

代表者:藤井 真人(ふじい まこと)
設立年:昭和61年
会員数:22名
活動場所:中央公民館

すずかけ:毎月第3水曜日10:00~12:30
ふれあい:毎月第4土曜日10:00~12:30
野露:毎月最終土曜日13:30~16:30

連絡先:野々市市本町5丁目20ー11
電話:076-248-2414(藤井)
メール:hotepoque1968@gmail.com

当会は野々市市の文化協会に所属し、毎年、まなびフェスタと椿まつりの時に文化講演会を主催しておりますが、石川県の読書会連絡協議会にも所属しております。県主催の「本を読む仲間の集い」に毎年参加の他、様々の企画文学講座等にも参加しております。

会長よりメッセージ:私が地域の読書会を知ったきっかけは、野々市市のホームページからです。定年退職してからは、何か地域活動の場に参加したいと思っていましたがなかなかきっかけががつかめずにいました。その場は、職場の次になる居場所となるもので、どうしても見つけたいと思っていました。3つの読書会がある中で男性会員がいるのが、野露だと知ってさっそく例会を見学してみることにしました。当時は公民館は旧舎の時で、奥まった部屋を訪ねるのも、初めてのことは何事もそうで勇気のいることでした。私は高校に入ってから読書の楽しみを覚え、ほとんどのめり込むようにして世界文学全集を一冊ずつ読んでいきました。定年後は読書三昧にと思っていて、自分の高校時代の雰囲気に戻る意味もありました。ただ居場所が欲しかったので読書会はぴったりハマりました。会員の皆さんは温かく迎えてくださいました。本好き同士ですぐに打ち解けられました。そして読書感想を話し合う場は、回を重ねるごとに会員を仲良くさせます。もしあなたが本好きで、自分の居場所が欲しいと感じていらっしゃるのだったら、私たちを訪ねてみてください。(読書会連絡協議会会長 藤井真人)

学びの杜ののいちカレード内
図書館HPへのリンク

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お知らせ
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  • 令和4年度 野々市市読書会連絡協議会 文学散歩レポート

令和2年と令和3年度の文学散歩はコロナで中止していましたが、今年度は感染防止対策の規制も緩和されたことから実施することにし、メンバー13名の参加で5月11日行われました。行き先は令和2年度に企画されていた、能登音楽堂と七尾美術館を見学するプランをそのまま、シェイクスピア劇と七尾出身の画聖、長谷川等伯のそれぞれの文化施設をめぐる文学散歩としました。野露読書会では事前に、「ハムレット」と安部龍太郎の「等伯」を読んでいて、読書会としての参加申し込みであることをそれぞれ見学担当者と学芸員の方にお伝えしました。能登音楽堂の案内係の方は、無名塾の塾生の方らしく稽古場での仲代達矢の様子やマクベスの時の馬の厩舎のことなど、普段聞くことができないエピソードをふんだんに交えて紹介してくれました。圧巻はやはり高さ7メートルある舞台背面の開閉式壁面で、開けると生の林の中の空き地が登場する舞台でした。そこは劇場の外になるわけで、舞台装置も人工ではなく天然になります。だから木などは根っこから抜いて移動させることもあったということでした。見学当日は天然の藤が木の上の方まで伸びて、林の左手上部は満開の藤の花を見ることができ、当館ならではの見物にもなりました。この劇場は演劇専門に仲代達矢の監修のもとに作られ、音については俳優の声が生で十分聞こえる配慮が、客数や座席配置や壁の形などに施されているとのことでした。とにかく熱っぽい解説を聞いて、ここ七尾を拠点に本物の芝居を提供する無名塾の意気込みを感じました。また、こちらから仲代達矢と七尾との関係について質問をすると、七尾にあるFRP製造の会社が舞台創作物の製造を請け負っていた経緯から、七尾のロケーションを紹介し仲代達矢が一目で気に入ったと答えられました。しかし劇場の完成には多額の建設費もかかり、地元の人たちの熱心な勧誘活動もあって実現したことには間違いないと思われました。昼食は、七尾市の老舗料亭「青海楼」のランチをいただいて、ゆったりと歓談の時間を過ごしました。午後の部は、毎年春の時期にシリーズで行われている、長谷川等伯展を鑑賞しました。最初に学芸員の方の説明がアートホールで約20分ほどあり、こちらも等伯研究者としての熱い解説を聞くことができました。等伯展は毎年企画展示の趣向を変えこれまで27年続いているそうです。当初の展示では安部龍太郎の時代小説「等伯」が直木賞を受賞したこともあって、等伯の人気は一躍全国的に上がることになり、等伯のある美術館として七尾美術館も知られるようになったそうです。今回は北國新聞での最近の研究成果の紹介もあり、有名な「松林図屏風」の水墨画風の絵とは対照的な彩色された図屏絵が多数展示されていました。解説の終わりには、狩野派と長谷川派の確執に触れ、小説にあったような狩野派の妨害は実際にあったのかという読書会にふさわしい質問もあり、七尾美術館との交流もできたと思います。今回の文学散歩は、七尾の二つの文化施設を訪ねるものでしたが、現地のスタッフの方との交流を持つ良い機会になりました。

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第31回 花と緑ののいち椿まつり2022 公開文学講演会

「文豪たちの活躍 文学作品への多様なアプローチ」

令和4年3月13日(日)午後1時半~3時 フォルテ2階セミナールーム

講師:金沢工業大学准教授 石川倫子氏

スライドに写しだされた資料を説明しながらの講演でした。野々市市読書会の方々は近現代文学をおもにテキストにしていると聞きましたので江戸時代から説明してゆきたいとよく通るはっきりした声でお話しされました。

江戸時代は大きな戦乱ははく天下泰平で経済発展により町人が活躍し、印刷技術の発展で写本から版本と文学が身近になり、庶民、町人文化が開いた。江戸前期は京都・大阪の上方文学、代表は井原西鶴、松尾芭蕉、近松門左衛門で、後期は江戸町人たちの江戸文学、戯作文学で娯楽物の通俗小説がふえる。草双紙本、読本、洒落本、滑稽本、人情本等題名をあげてくわしく説明されました。

文学は長い年月をかけて次の時代へとつながってゆくものです。と。

明治から現代に至る近現代文学の説明は皆さん読んだ小説もあり、身近に感じたと思います。写実主義の坪内逍遥、二葉亭四迷は言文一致を唱え、今ある文体になったのは彼らのおかげと言えるでしょう。写実主義に対して義古典主義、尾崎紅葉、幸田露伴があらわれ、浪漫主義、森鴎外の「舞姫」はあらすじや時代背景まで説明されました。自然主義の反動としてあらわれた耽美派 谷崎潤一郎、白樺派 武者小路実篤、余裕派 夏目漱石。大正時代より新現実主義 芥川龍之介、ブルジョア対労働者プロレタリア 小林多喜二「蟹工船」、政治的内容含むプロレタリアに反発して新興芸術派 井伏鱒二「山椒魚」、新感覚派 川端康成「雪国」は小説の書き出しを朗読されて、比喩の仕方や表現を説明されました。新心理主義 堀辰雄、戦後の無頼派 太宰治、坂口安吾、戦後派 三島由紀夫等、時代背景や反発していろんな主義や派があらわれたことを丁寧に説明され、時には朗読もされました。

1970年代から若者の文学への関心を高める。又、読書離れを救うためなのか文豪のキャラクター化がはじまった。漫画で「日本史」「人物伝」文学作品の漫画化。文豪をイケメン風のキャラクターにしたマンガ、ゲームで若者や女性の人気を集めている。文学館への来場者が増えている。今、文学作品の入口ともなっているそうです。時代が大きく変化していると思います。

最後に文学作品を楽しむ「翻作」を紹介され、先生が作った「蜘蛛の糸」を見せて下さいました。皆さんも好きな作品をもとになぞったり変えたりして「翻作」して楽しんで下さい。

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講演後、先生への質問が4名の方からありました。

Q:キャラクターゲームは文学に関係あるのか? A:文豪キャラクターは文豪の特徴文章や性格を表しているので文学を知るきっかけになる。

Q:小説という言葉また字はどこからきたのか? A:後日調べます。

Q:プロレタリアに反発してできた新興芸術派の井伏鱒二は「黒い雨」(1996年)を書いている。政治的ではないか? A:歳を経て、考え方も変化してゆきます。

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野露読書会(最終土曜日)
13:30~15:00
課題図書を読み感想を述べ、作品を通して何を読みとったか、作者が伝えたかった事は何か、話し合っています。
すずかけ読書会(第3水曜日)
10:00~12:00
現代文、古典等の中からテキストを決め、感想を話し合い、自分にとって遠い存在だった作品や若い世代で評判の作品にふれ楽しく話し合っています。
ふれあい読書会(第4土曜日)
10:00~12:00
食改で文学に心惹かれた数人でテキストについて話し合っています。時には健康について或いは身近のこと、時事のことまで話し合い、気軽で思いやりのある会です。
月一回、グループ毎に読みたい本を一冊選び、本を通して活発に感想を述べ合っています。
読み方や価値観、また年齢や性別によってとらえ方が異なり、刺激になったり、納得したり…の毎日です。
生き方を学ぶチャンスでもあり、知らない事を知る楽しみもあります。

読書に興味のある方、お気軽にご参加ください!
入会ご希望の方は…
野露読書会    代表:藤井(076-248-2414)
すずかけ読書会 代表:武藤(090-4329-0266)
ふれあい読書会 代表:奥田(076-248-0075)
まで。

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